事例研究

Warning Letter、MDR等、さまざまな角度から事例を取り上げ解析しています。 

 FDA査察の前に監査をお願いされる事がよくありますが、監査だけのご依頼はお断りをしています。ISOの文化が色濃く残る会社で監査をしても、単純な質問に答えられない苛立ちと不満だけが募るばかりで、お互いにやっていて無駄だと感じることが少なくないからです。ISO監査では指摘がないのに、あなただとなぜここまで指摘するのかと言われます。FDA査察官や私の質問は単純です。「 手順を説明してください。」「 結果のエビデンスを示して下さい。 」たったこれだけの質問にほとんどの会社は答えられません。さらに悪いことにその現実を受け入れようとされません。しかし、トレーニングを事前に受けていると状況は一変します。「 なるほどエビデンスがないと言うことはこういうことか。。 (・o・) 」「 えっ、手順書通りにやっていないのか? (・O・; 」ISOの定期監査では明らかにされなかったとても単純な、手順書通りにやっていないということに皆さん唖然とされ、とくに経営層はかなりのショックを受けられます。監査は設計からのトレーサビリティーを確認してまいりますが、例えば、出荷場の人達に「 この梱包箱を使用する指示はどこからきているのか?」という質問をするとほぼ答えられません。答えられない箱を私たちは見抜いて質問しているからです。工場ツアーを事前に行いますが、これだけで何ができていないのかプロの監査員ならよく理解できるのです。

 

日本の大手医療機器メーカーの米子会社が医療機器の一部販売停止と制裁金28億円の支払に合意、2011年3月23日付でメディアが一斉に報じ、日本の親会社の株価も同時に下がりました。 この28億という数字、メディアをあれだけ騒がせたトヨタリコール問題でトヨタに課せられた制裁金15億を凌ぐ高額なものです。 いったい何があったのでしょうか? FDAがウェブサイトでリリースしているニュースを読むとその詳細が明らかです。 FDAの査察で一度 Warning Letter (警告書)を受けると、再査察では通常の査察とは異なる特別査察になるので周到な是正をしておかないと2度目の警告書を受け取ることになります。 例に漏れず、この会社は2004年に1回目、2006年に2度目の Warning Letter (警告書)を受け取っています。 さらに2010年の査察の際、ついにFDAはこの会社に対して販売停止と制裁金を課すことを決定しました。 FDA所轄のCDRH( 医療機器・放射線保険センター )ディレクターのコメントが非常に印象的です。 「 医療機器製造業者は、FDAのGMP及びMDRを順守しなければならない。 今回の措置が良い例だ。 医療機器が安全でその性能を満たし高品質であることを規制することで患者を守っているのだ。 」 

高額な制裁金を支払わなければFDA警告書の意味を理解できなった代償はあまりにも大きい。 日本の医療機器メーカーのトップマネジメントは真剣にこの事を理解しようと努めなければ、今度は自社がこのような代償を払うことになるでしょう。  

 よく聞く話ですが、『 他のセミナーで言われたとおり、QSR と ISO 13485 の差分の表を作りました。 差分の箇所を確実に補完して手順を作りましたからFDAの査察は大丈夫です 』。。。 まだそんなことを教えている人達がいるんだと思うと残念でなりません。 残念ながら差分だけではとても査察に耐えられませんし、多くの会社を見てきましたが例外なく品質問題が再発して困ると言われます。 他の識者の方も言われていますが、ISOが日本の品質を全くダメにしてしまいました。 まるでマジックにでも掛かっているかのようにISOを取得しているだけで品質がよくなっているような錯覚を持っておられます。 しかし、ISOすらまともに理解し順守できていない会社で、QSRとの差分をとったところでいったいどうなるのでしょう。 今やTQMなんて死語ですが、QSRが要求しているのは日本のTQMです。 これを誰も教えないんですね。。 最近のISO9001ではやっとそれに気付いてTQMを言い始めました。 こんな事をことばでいってもとても理解して戴けないので、企業内トレーニングを実施して、FDAモック監査で指摘をしてはじめて何に気付かれるかというと、ISOすらまともにできていない現実に経営者の方がショックを受けられるのです。 NB(認証機関)の指摘は毎年少ないじゃないか。。。 だって、彼らは商売ですよ、わかってても客に逃げられる監査の指摘なんてしませんよ。。 

FDAの査察対応プロジェクトを行うと目に見えて会社の差が出ます。 企業内トレーニングにトップマネジメントも出席するようお願いしているのですが、忙しいのにも関わらずトレーニングにフルに参加され、なるほどと理解されプロジェクトをトップダウンで進めて来られた会社さんは、改善スピードも早いけれど、QSRをトリガにして会社に付加価値を付けようとしておられるのがよくわかります。 品質向上で企業価値をアップすることがQSRを導入し成功するキーワードです。

   先日あるメーカーさんが Warning Letter を受けられました。 しかし、Warning Letter の内容がどうもおかしい。 普通ならあなたたちの返答によると。。というくだりがありません。 FDAの査察の指摘( Obsevation )に対してレスポンスレターをFDAに出したのか尋ねてみると、FDAが指定した担当者に送ったはずが別の担当者がそのメーカーさんの評価担当だったらしく、折角FDAに提出したのにレスポンスレターが確認されないまま Warning Letter が出てしまいました。 FDAも相当の怠慢というかひどい話です。 訴える先があっても良さそうなものですが、レスポンスレターを提出したら何度もFDAに連絡を取って届いたか確認しましょう。

  FDAの査察で指摘( Observation )を受けると、FDAの担当者に対してレスポンスレターを提出する必用があります。 これを出さないと Warninig Letter を受ける確立が高まりますが、日本の企業がよく間違えるのがこの内容です。 CAPAの形式で記載すべきなのですが、肝心のCAPAをご存じないため、FDAから返事になっていないよ、と言われてしまうのです。 CAPAは日本のISOの知識ではダメなんですが。。


   FDAから査察を受けオブザベーション(指摘)を受けると、その対応についてレスポンスレターをFDAに提出します。 このレターの内容はCAPAの形式で回答すべきで、修正、是正の意味の違いを理解していないと Warning Letter を受けてしまう確立がかなり高まります。 しかし、私はこれまでこのCAPAを理解している手順をお客様の所で見たことがありません。 さらに、CAPAの様式はとてもCAPAを理解しているとは思えない状況です。 日本で査察を受けると必ずといって良いくらい指摘されるのがCAPAです。 私どもの解析データでもCAPAが最も多い指摘となっています。 そして品質問題が再発して困ると言われます。 根本原因が出ておらず修正で終わっているので当たり前なのですが、CAPAをきちんと理解してマネジメントを行わないと日本の品質は悪くなるばかりです。。
  悪いことにISO監査で指摘されないので、皆さんは間違っていないと思っておられます。 ちまたの講習会でも是正と予防を間違えて教えられているようです。 ISO9000に用語の定義がちゃんと載っているので確認して貰いたいのですが、明らかに日本のISO教育の弊害です。。 というせいでもないでしょうが、弊社のCAPAコースは参加者が極端に少ないです。 出席された方のコメントは、どなたも目から鱗(うろこ)、今までの考えが間違っていたと言われるのですが。。 そこで、QSRコースを2間コースにしてCAPAを知って頂く事にしました。