ISOとQSRの違いは?

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ISOとQSRの相違

ISOとQSRの要求事項をただ比較しただけでは本質的な相違を理解することはできません。 FDA の査察解析資料や近年の Warning Letter, Observation を統計分析してみると、指摘の割合はCAPAとマネジメントが最も多くなっていることがわかります。 この解析データからISOとの違いを読み取ることが出来ます。 FDA の査察官は、製品の品質に着目し、品質の悪さの根本原因をCAPAで突き詰めると、設計管理とマネジメントにあることをデータで知っています。 さらにFDAは、査察デー タやリコールの根本原因を解析した統計データなどから、設計管理に於ける「設計品質」の悪さが、不具合の原因のほとんどを占めている事実を知っています。 しかし、ISOの監査員は 品質システム手順やその実施だけに着目し、品質システムの本質である製品品質に着目しようとしません。ISOは内部監査によるPDCAを回して品質シ ステムの精度をあげようとしますが、FDAはCAPAを実施して品質不良の根本原因を探し出し是正するように求めます。

ISOとの決定的な違いは?

このようにFDAは、品質システムのどの項目にフォーカスをすれば効率的な査察ができるのかを統計的に知っています。 FDA査察官向けの査察ガイド( QSIT )の項目を見てみると、下記の4つの領域にフォーカスしていることが理解できます。

1.マネジメントコントロール
2.設計管理
3.CAPA
4.P&PC( 生産及び工程管理 )

特に品質不良の根本原因である設計管理についてガイドラインを業界に示し、医療機器の開発とはこうあるべきと言う指針を示しています。 このようなガイドラインの有無がISOとの大きな違いと言っても過言ではありません。 このガイドラインを通してFDAが要求する本質が見えてきます。 クオリス・イノーバが必ずガイドラインを用いたセミナーを実施している理由はそのためです。

近年、特にプロセスバリデーションに注意が必要です。ISOにない設計移管を含む工程設計、プロセスバリデーションは日本のメーカーの一番の弱点です。

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