FDA QSR ワンポイントレッスン! クオリス・イノーバ

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更新日 2008-12-11 | 作成日 2007-12-01

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ワンポイントレッスン

FDA QSR ワンポイントレッスン

 
FDA QSR の要求事項について、要点をまとめています。 弊社 QSR Basic Training Course の復習などにお使い下さい。 ご質問はこちらからどうぞ。
 

QSR とは?

QSR は Quality System Regulation の略で、米国版医療機器 GMP ( Good Manufacturing Practice ) です。 詳しくは、21 CFR Part 820 が規制の番号になり、CFR とは、Code of Federal Regulation の略で、アメリカ連邦政府諸機関が出した規制集の事を言います。 この規制集には50までのタイトルがあって、医療機器は21番目の Food & Dragに区分けされています。 その中の8巻目に医療機器の規制が載せてあり、820 番目が QSR に相当します。 
 

ISO 13485 との相違は?

改正された薬事法では、グローバルな整合から GMP として ISO 13485 との整合が図られました。 従って、ISO 13485 の認証を取られた企業も多いのではないでしょうか? ( 認証機関から認証を取る法的要求はありません ) FDA も QSR は ISO 13485 と整合していると公に言っています。 では、本当にその言葉を信じていいのでしょうか? FDA のミッションステイトメントは、公衆衛生を守るため、即ちアメリカ国民の健康を守るために、と言う下りから始まります。 ですから、アメリカ国民を守るために、海外にまで出て行って監査ではなく、査察を行うのです。 従って査察の厳しさは、ISO だけでは到底査察に合格できるものではありません。 彼らは不適合の原因や品質不良の原因を統計的に知っていて、そこを査察してきます。 ISO と最も異なる所は、QSR で指摘をするだけでなく、製造業者に対してガイダンスを発行し、教育を行っていることです。 そのため、QSR だけでなくこれらのガイダンスを学ばないと、FDA が何を要求しているのか、査察官の質問に証拠を見せて回答することはできないでしょう。 このガイダンス、特に設計管理、CAPAを学ぶと FDA が要求している医療機器開発の本質が理解できます。 クオリス・イノーバでは、ガイダンスのセミナーを開催し、医療機器開発の本質についてセミナーを開催しています。 セミナー情報はこちらから。 
 

QSR に準拠する心構え

海外に製品を輸出する企業は、薬事法の監査を所轄行政から受け( 国内で販売するときのみ )、ISO13485 或いは ISO9000, 14000 の監査を認証機関から毎年受け、さらに CE マーク、中国に関しては。。と1年中監査、査察だらけ、FDA が査察に来るとなると会社中大騒ぎになります。( 恐らく通常の仕事が3ヶ月できなくなる (*_*) ) おまけに社内で内部監査を毎年行い、全ての監査結果のフォローに明け暮れる。 これはもう品質システムだけの組織がないと対応できないのは明らかですね。 そして会社全体でどれだけの工数がかかっているか計算したことがあるでしょうか? 膨大な時間を監査のために使っていることがおわかりになると思います。 すると、仕方がないからするのか、品質改善やコンプライアンスの一つの手法として積極的に取り組んでいくのかによって、この膨大な工数が生きてくるか、死んでしまうかのどちらかになるかもおわかりでしょう。 考え方一つでコスト削減にもなり得るのです。 品質システムの中でも監査の厳しい FDA QSR は多くのガイダンスが出ています。 このガイダンスを学ぶことで FDA が要求する医療機器開発の本質が見えてきます。 QSR の要求事項をガイダンスを通して深く学ぶことにより、元々品質のよい日本製品は、さらによい品質とコンプライアンスを手に入れることができるでしょう。 

品質システムはどう構成すればいい?

ISO 13485 0.4 では、御社の品質システムを FDA の要求事項に合わせて統合してもいいと言っています。 すでに ISO 13485 の品質システムをお持ちであれば、FDA QSR の要求事項に足りない箇所を加えて統合します。 そして、星取り表を作成し、品質システムのどの手順が ISO に適合し、どの手順が FDA QSR に適合しているのか明確にしておけばよいでしょう。 しかし、これは必ず文書化して品質システムに挿入しておかないと、「証拠」を示すことができません。

なんちゃって ISO に気をつける

ISO の認証を取得すると安心し、気分も大きくなってよくこう言われます。 C「 うちは ISO 9000, 13485 の両方取得していますから大丈夫ですよ。」 QI「 それではちょっと見せて頂きますね。」 QI「 ・・あの〜、どうして設計手順も無いのに認証を受けられたんですか (・o・) 」 C「 それは、その・・・ (^_^; 」 QI「 っていうか、そんな認証機関があるんですね・・ (・o・) 」  これは、ある特定の企業さんだけではなく、よくある話で驚いています。 話をよく聞くと、ISO 13485 の人気が高く、監査員が不足していてご自分の得意分野しか詳しく見られない監査員が多いようです。 FDA の査察官は、認証機関 ( Notified Body ) の出す認証書など見向きもしないので注意して下さい。 ( アメリカでは ISO に馴染みがない。 そもそもよその国の規制に関心を示さない。これはもうアメリカの国民性ですね。 ) 断言してもいいですが、ISO 13485 を取得しているからと言って FDA の監査にパスすることはまずあり得ません。 要求事項は同じでも FDA は QSR を解説するガイダンスを出し、実は細かな要求をしているのです。
 

略語を覚える

査察の際に頻繁に出てくる言葉は、日頃から社内でも使うように工夫しておくことをお勧めします。 査察の際に、(・o・) 状態はまずいですよね。 DHF, DMR, DHR の3つは必ず覚えておきましょう。 DHF ( Design History File ) : 設計管理の項目( 820.30 ) の活動の結果を記録したもの全て。 820.30 で文書化することと記載されている項目はこれに該当すると考えてください。 DMR ( Device Master Record ) : 機器原簿と呼び、820.181 に詳細が説明されています。 薬事法で言う、製品標準書に記載される文書類と考えるとわかりやすいでしょう。 製品を作るのに必要な文書類です。 DHR ( Device History Record ) : 機器履歴簿と呼ばれ、820.184 に詳細説明されています。いわゆる製造記録のことですが、含まれる情報が要求されているので注意して下さい。 ポイントは、社内で規定されている文書リストにどの文書がこれらの文書に相当するかを明記しておくことです。
 

V & V

V&V は顔文字ではなく、Verification ( 検証 ) and Validation ( 妥当性確認 ) の事です。 よく見かけるのは、検証と妥当性確認を混同、或いは意味を理解しないで使用されているケースです。 この相違は後の設計管理や工程管理のところで説明しますが、ポイントは、規程や手順書の中で明確に定義をしておくことでしょう。
 

経営者の責任 ( 820.20 )

( 2 ) 意外に見落とされているのが、経営資源の要員の割当です。 例えば、ある工程の作業員の力量が設定されておらず、力量の判定も行っていない作業員が作業をしていることを内部監査で指摘し、報告を受けた経営幹部が何も指示をしていなかったとしたら重大な指摘となるでしょう。 ( 3 ) 管理責任者について、QSR では任命し文書化しろと言っています。 管理責任者の名前、任命責任者のサインの入った文書は、品質システム上で必要です。 ( ii ) 品質システム監査の報告を執行責任者に報告し、レビューを受けているでしょう。 ここまではいいのですが、どういう評価をして報告し、レビュー者のコメント、そのコメントに対する対策が必要です。 ( c ) マネジメントレビューについて、ほとんどの会社では、年に一度しか開催していないのではないでしょうか? それでマネジメントサイドは、会社の品質システム上の問題点を充分な頻度で把握している。。。とは言えないのです。 では、4半期に1度でいいでしょうか?? それでも査察で指摘を受けた会社があるということだけ述べておけば頻度についてはおわかりになるでしょう。 
 

要員 ( 820.25 )

必要な教育・経歴・訓練及び経験を有する充分な要員を雇用し。。と要求されています。 社員に必要な教育を。。 私はどの規程やSOPを知っておくべきなの? この質問に答えられなければ、この要員で指摘されることになるでしょう。 経験的にCAPAを回すと、ほとんどの根本原因が手順を知らない、教育を受けていない、というところに集約されます。 ということは。。。
 

設計管理 ( 820.30 )

安全性、有効性を含む医療機器の品質は設計段階で確立されます。 設計管理の手順では、開発の計画から製造部門への設計移管まで、QSRの要求する項目に従い、手順があるべきです。 FDAは設計ガイドラインで、一つの概念図を利用して設計管理を説明しています。 この図は、開発の各ステップにデザインレビューが必要であること、検証と妥当性確認の関係を明確に示しています。
 
 

設計計画 ( 820.30 b )

製品の開発を進めていく場合、設計計画書を作成します。 ガントチャートを含む進捗管理、スキル設定された要員の配置、開発コスト等です。 これには、プロジェクトマネジャー、リーダー、メンバー( 関連する部門のプロジェクト代表者 )が明確にされ、設計レビューのどの段階で誰がレビューに関わるのか明確にしておく必要があります。 当然この計画書は、変更があるわけで、Rev.  管理がされていることが要求されます。 ( 監査員の視点: 設計計画書を見ただけで、設計がうまく管理されて行われているかどうかの判断がつきます。 )
 

設計インプット ( 820.30 c )

設計のインプットとは、ユーザー、及び患者の曖昧なニーズを設計するための数値化したスペックに落とし込むことです。 ユーザーは、長さ 10 cm ± 2 mm の長さが持ちやすい! なんて言ってくれないのです。長さが 10 cm であり、許容差が ± 2 mm であると判断するための手順とそれを裏付ける証拠が必要となります。 曖昧なユーザーの意図した用途を開発スペックに落とし込む重要な作業を怠ると、製品が完成した際のバリデーション( 意図した用途の確認 )の際にユーザーから思わぬ " NO " を食らってしまいます。 これは設計のやり直しを意味し、開発コストを上げかねません。 ( 監査員の視点: 監査員は単純な質問をします。 どうしてこの設計値になったんですか? )
 
 

設計アウトプット ( 820.30 d )

設計のアウトプットとは、わかりやすく言うと、図面であり、検証結果の技術レポートです。 インプットで許容差を含む開発スペックが決まると、検証するための規制、試験方法、合否判定基準を予め設計計画の中に落とし込みます。 ( プランのない検証あり得ません。) 設計は、設計インプットとアウトプットを計画する段階でほぼ8割の設計作業は終わっています。後は設計し、試作し、動作させてみて、計画通りの試験方法で検証を行って、スペックインするまで繰り返し開発の作業を行います。 合格した開発記録は、検証記録として成立、これを元に図面を起こせば、それは検証記録と共に設計のアウトプットとなります。 ( 監査員の視点: 設計インプットとアウトプットはどうリンクしてますか? )
 
 

文書管理 ( 820.40 )

文書管理は監査の重要ポイントです。 理由は、CAPAで根本原因を突き詰めると、ほとんどが ”手順がない” となってしまうからです。 だからといってむやみに手順を増やすと大変なことになってしまいますが。。。 そして、手順はあるけれども、、というケース。 これは、手順の検証者の問題です。 技術レポートでも同じ事が言えます。 文書は作成者、確認者、承認者と3名のサインを必要としますが、おそらくというかほぼ間違いなく承認者は何も見ないでサインしています。 検証者が確認しているだろうという勝手な思いがあるからです。 その通りで、キーマンは確認者です。 特に技術レポートの場合、検証者は非常に重要な役割を担います。 すると、この検証者の力量を設定しトレーニングするというのが自ずから必要となるのです。 これが技術レポート? という文書をいくつも見てきました。 実はここに設計の初期不良の原因が潜んでいるものなのです。 そもそも技術レポートも文書管理されていない会社はもうお手上げです。。
 
 

日付印

日本の会社は伝統的にサインをする代わりに名前の入った日付印を文書に押印します。 これは、日本、韓国、中国の漢字を用いる文化圏に多く見受けられます。 というか、日本の産業界がこの文化を持ち込みました。 おそらく効率という名目です。 しかし、アメリカの文化は異なり、サインをするという行為そのものに自己責任が発生する文化です。 日本の大きな会社になると、日付印を悪用した金銭のトラブルになったりもします。 FDAの査察官から見ると、とても奇異な文化です。 個人の日付印や三文印を文書の承認に使っているなら、会社の文化を変え、サインに切り替えましょう。 これにはとても抵抗があるようですが、FDAの査察にまずパスしません。 アメリカ人にはなぜ自身の大切なサインの代わりの印鑑が机の上に転がっていたり、鍵も掛からない机にしまいっぱなしなのかよく理解できないのです。 そこで、押印に関して適切な人が文書を確認、承認している証拠を見いだせないと結論づけます。 誰かが代わりに押印できることを見抜いているのです。 
 
 

購買管理(820.50)

購買部門の目的は、品質がよくコストの安い製品、サービスを提供する業者(サプライヤー)を評価選定することです。 規制では、業者を選定する基準を定め、品質要求事項に適応する業者を選定しろと言っています。 ここでの査察のポイントは3つあります。 1.実態は技術部門からの指示で業者を選定する場合がほとんどで、社内の他部門からの要請に基づいて購買活動が始まります。そこで、他部門からの要求スペックの受取と、アップデートを含む文書管理がポイントになります。 2,品質要求事項を満たすため、常に受入製品の品質評価を行って、品質のよい業者選定の見直しを行っているはずです。 また、変更された製品が予告なしに入荷する場合もあります。 評価をするために社内の連絡はうまくいっているでしょうか? 3.業者評価のための監査は、スキルのある監査員とチェックリストが必要です。 「ISOを取得してますね。」で終わる監査はあり得ません。 なんちゃってISOが多いからです。 そもそも米国はISOを取得する習慣がありません。
 
 

識別(820.60)

識別管理の適用範囲に注意して下さい。 規制は、製品(製造部品など)の受領から出荷、流通、据付まで要求しています。 即ち、皆さんの工場で全ての製品が識別管理されている必要があります。 特に不適合品、試験用サンプルなどに注意します。 技術部門が使用するサンプル品、マーケティングの使用する製品などが無造作に倉庫に識別されずにある場合がよく見受けられます。 また、完成品は、出荷されるまで隔離しろという要求事項が820.80(d)にあります。 ”隔離”という言葉に注意して下さい。 この意図は、出荷責任者のサインがされるまで出荷されないような仕組みになっているといことです。  ( 監査員の視点: 良品と不適業品がフロアのラインやトラテープだけで隣同士に置かれている場合、指摘となります。 不適合品は、欧米ではケージに鍵をかけて隔離するほど、日本と文化が違うのです。 査察官の国の文化を理解することです。 )
 
 

生産及び工程管理(820.70)

この規定だけでセミナーが開催できるほど内容は盛りだくさん。 すでに設計が終わっているため、査察官に一番指摘を受けやすいところでもあります。 慣れた査察官なら、工程を一巡すると書類審査にすぐはいるでしょう。 ポイントは、設計からの移管がうまく行われているか、特に製造に変更出図された最新の製造仕様書を元に、SOPがそれに準拠しているか、SOPの検証は行われたか、作業員の力量を証明できるか、自動工程のバリデーションは?。。これらは、QC工程表を元に各工程毎検証し、記録を残すようにして下さい。 ( 監査員の視点: 設計移管、設計変更、工程変更、要員、CAPA )
 
 

検査・測定及び試験装置(820.72)

生産ラインで使用されているこれらの装置が”意図した目的に適切である”とは、例えば、測定すべきスペックが 3.5v±0.005v であれば、小数点3桁目までを保証するデジタルボルトメーターが必要ということ。 このクラスになると測定器も限られてきます。 しかし、実際には、2桁目までしか測定できない測定器が工程にあることがざらです。 しかも校正期限の過ぎている物、中には校正対象なのかどうか管理もされていない測定器があります。 これらは、工程検証で実施されなければならないものです。 忘れがちなのが、日々の点検。 せっかく点検シートがあるのにそれを怠っているケースがよくあります。 これらはウィークリー工程点検を行うなどして、工程作業にある程度緊張感を持たせる必要があるでしょう。
 

是正処置及び予防措置(820.100)

通称CAPAと呼んでいて、FDA査察官の最も注目するところです。 ポイントは、規制で要求している全てのインプットについてCAPAを実施すること。 そして、CAPAの7ステップを確実に実施することです。 このCAPAだけでセミナーを開催している理由は、実はここがFDAも、我々も注目する品質改善、コンプライアンスの原点だからです。 そしてFDAの指摘が最も多いのもこの箇所です。 ISOの感覚では査察にはパスしないでしょう。 
 

機器のラベリング(820.120)

通常ラベリングという定義は、ラベル、添付文書、取扱説明書などが含まれる総称であることに注意。 リコールで多いものの一つがラベルの貼付ミスによるものです。 QSRではDHRでの記録を要求し、検査者のサインを要求していますが、こういった要求は他の項目にない言い方となっていることに注意。 企業が混同防止をどのように予防しているかが査察のポイント。 
 

機器の包装(820.130)

機器の包装、輸送梱包箱の設計図面と検証レポートは提示を求められます。 機器が保管・流通の間に保護されるように設計されていることを確認するので、実際に想定される流通に載せた試験やシミュレーションデータに基づく試験が必要となるでしょう。 その後、設計でリスクをヘッジ出来ない項目について、外箱に取扱の注意事項やマークが付けられますが、箱は6段重ね以上は禁止とするなら、その根拠を持っておくことです。
 

取扱い(820.140)

ここでは製品の取扱について規制していますが、ISOで定義されている製品には中間製造品も製品の定義になりますから注意して下さい。 すると、サービスに供給するサービスパーツも製品と言うことになります。 汚染、劣化には特に気をつけましょう。 木枠梱包された製品がよく天気のよい日にトラックから下ろされ、製造所に入れられる順番を待つため天日に何時間もさらされています。 査察の時には運悪く雨になるんですね。。( 不思議ですね〜? ) それと、査察官がその日の監査を終えて帰るときにまだ外にあるんですね。。( 管理はどうなってるんでしょう? ) 
 

保管(820.150)

要求されているのは、倉庫等での混同・損傷・劣化、その他悪影響を防止することです。 これらに対する防止の手順が確認されます。 出荷前の製品倉庫はアウトソーシングした運送会社に任せているケースがよくありますが、製造業者がシステム上の責任を問われます。 米国では、倉庫内の防蟻、防虫対策はもちろん、これらに対する定期的なメンテナンスも行っています。 査察官は梱包箱に記載されているマークにも注目します。 査察に関する多くの情報がそこにあるからです。。。
 

流通(820.160)

出荷承認されていない製品が市場に流通されない仕組みを問われます。 また、期限切れの製品が流通しない仕組み、SOPが必要です。 流通の記録は伝票で構いませんが、規制されている項目が伝票上にあることを確認して下さい。
 

据付け(820.170)

インスタレーションマニュアルは、インスタレーションが確実に実施されるように検証、バリデーションされるべきです。 考え方によっては、インスタレーションは製造行為の延長にある製品の性能を決定する重要な作業です。 適切な治具、測定器を使用し、正しく作業ができることを確認しておきます。 
 

記録(820.180)

記録は証拠を示すための Objective Evidence です。 口頭での説明はまず受け付けてくれませんので記録で示せるように手順を変える必要があります。 特にV&Vの記録が無いことが多いようです。 V&Vは査察でフォーカスされているところですから要注意。 査察準備をする際、査察官と対峙する部屋とは別にバックルームを設け、すべての書類を用意しておき、査察官の要求にすぐに応えられるようにします。 すぐに書類を提示できないと指摘となる場合があるので注意して下さい。 
 

DMR(820.181)

DMR は、Device Master Report の略で、機器原簿と呼んでいます。 医療機器を製造するために必要な文書であり、薬事法で言う製品標準書に相当します。 機器の仕様書も含まれ、インスタレーションマニュアルや修理の仕様や手順もこれに相当しますので、どの文書体系がDMRに該当するか定義された文書があるとよいでしょう。 査察では、設計変更に伴い、DMRも変更されていることが確認されます。
 

DHR(820.184)

DHR は、Device History Report の略で、製造記録のことです。 恐らく、査察の際に必ずチェックされる文書です。 DHR に日付印を押印すると指摘のリスクが高まります。 これは、予め名前を印刷することと何ら変わらないからです。 サインに変えた方が無難です。 使用した測定器類はトレースできるようにしておきます。 注意すべきは、不適合がラインで発生したときの対処の記録です。 もし、その不適合が適合になったのであれば、根拠がエビデンスとしてファイルされている必要があります。 熟練した査察官は、DHR を見ただけで色んな事が見えてきます。 どうして Rev. が変更になっているのか、この作業員の力量は?、トレーニングは? DMR とのトレーサビリティーは。。。。。
 

品質システム記録(820.186)

品質システム記録は、特定の製品ではなく、このQSRの要求する手順及び文書、820.20( 経営者の責任 )で要求される記録だと定義しています。 品質記録はどれに相当するのか、文書番号を明記して定義しておくとよいでしょう。 
 

苦情ファイル(820.198)

まず理解しておきたいのは、FDAのミッションはアメリカ国民の健康を守るということです。 すると、アメリカからの苦情がタイムリーに処理されているかどうかが査察官の視線であることがおわかりでしょう。 内容によっては、MDR( 不具合報告 )となる訳です。 MDRは、別途 Part 803 で要求がある規制なので、この報告をするための判断をしていなければ当然指摘となるでしょう。 苦情の調査の記録は細かな要求があることに注意が必要です。 ここは、指摘の多いところ、即ち、査察官の興味のあるところです。
 
 

付帯サービス(820.200)

(b) ではサービス記録を分析してCAPAを回せと言ってます。 そして、この情報はマネジメントレビューに報告されなければなりません。 また、MDRに相当するかどうかの判断をするプロセスが必要でしょう。
 
 

統計的手法(820.250)

統計的手法の適用範囲は手順と供にすでにISOで取り決めているはずです。 QSRでは、工程能力の検証と製品特性に使えと言っています。 もちろんこれだけではありませんが、規制で要求されているこの2つ範囲には必ず適用するようにしておきましょう。
 
 

毎週アップデートしてまいりまたが、如何でしたでしょうか? 
どうぞ、QSR基礎コースを受講する前の予習、復習にご使用下さい。
 
 
 
 
 
 
 

私達のセミナーは、要求事項の本質を理解して頂き、実際の査察や世界の国々の工場での対応までご説明する、ちょっと他にないセミナーです。 QSRが理解できたら、次はCAPA! FDA査察で指摘の大半を占めるCAPAの本質を理解することで、査察にパスすることはもちろん、シックスシグマ活動にも通じる品質改善の本質を理解できます。 私たちのCAPAワークショップ( 半日コース )は、CAPAの原則と品質改善の本質が理解できます。 セミナーのページで開催予定をご確認下さい。 予定がなければ、会社単位でセミナーの開催が可能です。 お問い合せ下さい。 

QSR、CAPAが理解できたらFDA査察準備に取り掛かりましょう。 クオリス・イノーバでは、現状の品質システムとのGAP監査を行っています。 世界中でFDAの査察を経験してきたクオリス・イノーバならではの他社とは異なるクオリスのGAP監査は、欧米の企業から信頼を頂いております。

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